このサウンドを聴くと、リスナーは決して気づくことはないが、
微妙な形で数々の音のノイズが「あえて意図的に」加わっている。
これも、今まで説明したように、錯覚を生み出すためのものだ。
それらのノイズが無意識の違和感を生み出し、
意識を揺らすのだ。
今まで説明した、錯覚の技法は、
リスナーの思考を停止させる。
思考が停止すると、
エゴ、自我の働きが破棄されなくなってくる。
実際、(BGMではなく、ヘッドフォン等をして集中して)このサウンドをちゃんと聴くと、
ものを考える働きが、途切れ途切れになってくる。
だから、このサウンドは自動車を運転するときなどには
聴かないで欲しい。
中には、脳の働きを高めるものもあるので、
一概にそうとは言えないが、基本的に集中して聴く場合はそのようにいえる。
自動車の中はBGMであっても、狭い密室なので、
運転に集中していることもあいまって、同じような状況になるといえる。
思考停止といっても、ストレスになるような感じでは決してなく、
逆に気持ちいい感じになるレベルのものなので安心して欲しい。
さて、次回は遂にサウンドの真骨頂である「ある技術」について
説明させていただこうと思う。